内視鏡検査(胃内視鏡、大腸内視鏡検査等)の対応について
インフルエンザ、新型コロナ等ウィルス感染症から患者様と職員を守るために、必要な感染防止対策を講じて検査を実施しています。そのため、皆さまにご不便をお掛けすることがありますが、ご了承のほどお願いいたします。
- 検査予約の患者様は、日頃より体温測定を行っていただき、検査日を入れて4日以内に37.5℃以上の熱があった場合は、検査日を変更していただきます。
- 検査前に問診させていただき、その問診結果によっては、検査を中止させていただく場合があります。
- 待合室の入室制限をしています。付き添いの方の入室は、ご遠慮いただきます。
新型コロナウィルス感染症の陽性者の患者様は、発症翌日から7日間あけて検査を受けていただきますようお願いしております。
健診予約に関するご案内
2026年度の上部内視鏡検査(胃カメラ検査)を含む健診は予約数が上限に達したため、受付を終了いたしました。お申込みいただき、ありがとうございました。
なお、上部エックス線検査(胃バリウム検査)での健診予約は引き続き受付しております。
来年度の予約受付は2027年1月26日に開始いたします。
また、今後は年度ごとに予約受付開始日をホームページに掲載いたしますので、ご確認くださいますと幸いです。
なお、豊田市健康診査のお申し込みについては、受診券がお手元に届いてからの予約受付となります。
また、受付開始日が所属団体様ごとに指定されている場合は、所属団体様の指定日より受付開始となりますので、予めご了承ください。
ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
2026年6月1日
健診センターなかの
健診予約に関するご案内
2026年度の上部内視鏡検査(胃カメラ検査)を含む健診は予約数が上限に達したため、受付を終了いたしました。お申込みいただき、ありがとうございました。
なお、上部エックス線検査(胃バリウム検査)での健診予約は引き続き受付しております。
来年度の予約受付は2027年1月26日に開始いたします。
また、今後は年度ごとに予約受付開始日をホームページに掲載いたしますので、ご確認くださいますと幸いです。
なお、豊田市健康診査のお申し込みについては、受診券がお手元に届いてからの予約受付となります。
また、受付開始日が所属団体様ごとに指定されている場合は、所属団体様の指定日より受付開始となりますので、予めご了承ください。
ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
2026年6月1日
健診センターなかの
食道癌について
副院長:安藤 拓也
食道とは
食道は、喉から胃の入り口までのびる約25~30cmほどの管状の臓器です。食道癌は、食道の内面をおおっている粘膜(扁平上皮)の表面から発生します。大きくなると深く広がっていき、食道の外側の気管や大動脈などにも広がります。食道の壁内にあるリンパ管や血管にがんが侵入すると、リンパ液や血液の流れに乗ってリンパ節や肺、肝臓などの他の臓器へと転移します。
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食道癌の早期発見は難しく、悪性度は胃癌や大腸癌に比べると高いです。我が国では食道癌と診断される患者さんは男女とも少しずつ増加傾向にありますが、死亡率は横ばいです。年齢は60-70歳代が多く、男性が女性の約6倍多い。食道癌で亡くなられる方は、男性では肺癌、胃癌、大腸癌、肝臓癌、膵臓癌に次いで高く、女性では10番目以下です。
検査
食道癌を見つけるには、内視鏡検査と消化管造影(バリウム検査)を行いますが、早期癌の発見には内視鏡検査が不可欠です。さらに内視鏡検査時にヨード染色法を併用すると、食道癌はヨードで染色されずに白色の病変として認識され、肉眼では分かりにくい病変を早期発見しやすくなります。また内視鏡から特殊な光を当てて食道の粘膜内の血管などの変化から癌を見つける「狭帯域光観察(NBI)」も早期癌の発見に有用です。
早期癌(通常内視鏡像)
早期癌(ヨード染色像)
早期癌(NBI観察像)
進行癌
症状
早期癌では自覚症状はほとんどなく、内視鏡検査でたまたま発見されることが多い。癌が進行すると、前胸部の違和感・痛み、食事のつかえ感、声のかすれ、などの症状が出現します。
食道癌の種類
食道癌には主に扁平上皮癌と腺癌に分けられます。もともと食道の粘膜は扁平上皮ですが、逆流性食道炎の繰り返しで食道下部の扁平上皮が腺上皮(胃の粘膜)に置き換わると腺癌が発生しやすくなります。日本や中国などの東アジアではほとんどは扁平上皮癌で、喫煙と飲酒が最大の発癌要因になります。腺癌は欧米人に多いタイプで、逆流性食道炎、肥満、喫煙と関連があります。日本では扁平上皮癌が約90%と圧倒的に多く、腺癌が約4%程度ですが、今後腺癌の増加が予想されます。
食道癌になりやすい人
日本に多い扁平上皮癌には「飲酒」、「喫煙」が関連し、その両方の習慣がある人は危険性が高くなります。飲酒も喫煙もしない人に比べ、飲酒者では2.76倍、喫煙者では2.77倍、食道癌のリスクが上がります。さらに飲酒と喫煙を両方する人のリスクは8.32倍に上昇し、飲酒と喫煙の組合せにより食道癌になる危険性がとくに高くなります。
特にお酒を飲むと「顔が赤くなる」人は注意が必要です。経口摂取した「アルコール(エタノール)」は小腸で吸収され肝臓でアルコール脱水素酵素(ADH)により「アセトアルデヒド」に代謝され、引き続きアルデヒド脱水素酵素(ALDH)により「酢酸」へと代謝されます。
アセトアルデヒドは発がん物質であり、顔面や体が赤くなったり、頭痛、吐き気、二日酔いの原因となります。アセトアルデヒドを分解するアルデヒド脱水素酵素(ALDH)のうち2型(ALDH2)の働きが弱い体質の人はアセトアルデヒドを分解する働きが弱く、お酒を飲むと「顔が赤くなる」体質ということになります。日本人の約45%はALDH2の働きの弱い体質とされています。お酒を飲むと「顔が赤くなる」体質の人は、発がん物質であるアセトアルデヒドを分解できずに体内に残りやすいので食道癌になるリスクが高くなります。
食道癌の深達度
食道壁の粘膜下層までにとどまる癌を「表在癌」、固有筋層より深くまで広がる癌を「進行癌」と呼びます。さらに表在癌のうち粘膜にとどまる癌を「早期食道癌」と呼びます。
治療法
粘膜表層までの癌にはリンパ節転移がほとんど無いことから、内視鏡治療で根治が可能です。それより癌が進行していると手術治療になることが多く、放射線治療や抗癌剤治療を行う場合もあります。当院では内視鏡治療は行っていますが、食道癌の手術は大がかりで危険性もやや高いので、専門施設に紹介しています。
最近の内視鏡治療では、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が主流になっています。ESDでは病変周囲の粘膜を切開し、その後粘膜下層に潜り込みながら剥離して病変を切除する方法です。胃癌の内視鏡治療に比べて技術的難易度は高くなり、合併症にも注意が必要です。食道壁は薄いので穿孔(穴が開くこと)すると、重症になる危険性があります。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
早期癌であるがESDが危険と判断された高リスク症例に対しては、内視鏡の先端からアルゴンプラズマを放出して癌を焼き尽くす治療(アルゴンプラズマ凝固法)を行います。
食道癌の予防には
日本人の場合、酒も飲まずタバコも吸わない人から食道癌はほとんど発生しません。喫煙者は禁煙をして適量の飲酒を心掛けましょう。とくにウイスキーや焼酎のようにアルコール度数が高い酒は食道粘膜を直接障害しやすいので水割りで薄めて飲みましょう。熱い飲み物や食べ物も危険因子になるので、冷ましてから口に入れましょう。野菜や果物の摂取には食道癌の予防効果がありますので積極的に食べましょう。逆流性食道炎のある方は、内服治療にて食道下部の炎症を抑えて食道腺癌の発症を予防しましょう。
食道癌の早期発見には内視鏡検査(胃カメラ)が有用ですので、喫煙歴や飲酒歴のある方、逆流性食道炎のある方は、定期的に内視鏡検査を受けることをお勧めします。
胃潰瘍とは
医師:齋藤 慎一郎
上腹部痛を訴えて来院される患者様の中には、胃潰瘍を心配され内視鏡検査を希望される方が多くいらっしゃいます。そもそも胃潰瘍とはどんな病気なのでしょうか?
胃潰瘍とは何らかの原因により、胃の壁が粘膜より深い層まで傷ついた状態をいいます。(粘膜までの傷を「びらん」といいます)
十二指腸のはじめの数cmにも潰瘍が発生することがあり、胃潰瘍と合わせて消化性潰瘍と呼ばれています。
胃潰瘍の患者数は減少傾向にあり、1990年代と比較して2014年には約1/4まで減っているという報告がありますが、依然として多くの発生を認めます。患者数減少の要因としては、2000年より胃十二指腸潰瘍に対するピロリ菌除菌治療の適応が認められ、さらに2013年にはピロリ感染性胃炎に対しても除菌治療の適応が拡大され、ピロリ菌に感染した患者さんが急速に減ったことが大きく関係しているといわれています。
原因
胃潰瘍はどのようにして起こるのでしょうか?胃粘膜防御機構という考え方があり、攻撃因子である胃酸の分泌が過剰になったり、胃粘膜を守る防御因子が弱くなったりすることで、攻撃と防御のバランスが崩れて胃の壁の損傷が引き起こされると考えられています。具体的な原因としては、ピロリ菌感染と薬剤性によるものが2大要因として知られています。両者とも胃酸の分泌過剰ではなく、胃粘膜保護の防御因子の破綻が関連しているといわれています。
ピロリ菌感染が原因の胃潰瘍は男性に多く、単発性で胃の真ん中から上部に認められることが多いです。ピロリ菌は胃に感染する細菌で、胃炎・胃潰瘍・胃癌の発生に関連します。ほとんどの場合小児期に感染し、除菌を行わないとピロリ菌に感染した状態が持続します。前述のようにピロリ菌の除菌が進み、以前よりかなり減少したといわれています。
薬剤性の胃潰瘍は、鎮痛薬として用いられる非ステロイド性抗炎症剤や、抗血栓薬として用いられる低容量アスピリンなどが原因となります。高齢女性に多く、胃の出口側に多発することが多いです。また出血や狭窄などの合併症の頻度も比較的高いといわれています。
これらの2大要因以外の原因はどうでしょうか?胃癌やリンパ腫の様な腫瘍によるもの、サイトメガロウィルスや梅毒等の感染によるものなど様々な原因があります。原因がはっきりしない潰瘍もあり、突発性潰瘍と呼ばれています。突発性潰瘍の原因としては高齢、背景疾患、ストレス性などが誘因といわれており、胃潰瘍全体の約12%を占めるという報告もあります。最近の報告としては2011年に発生した東日本大震災後に、ある被災地における潰瘍の発生が1.5倍に、出血性胃潰瘍の発生が2.2倍に増えたというデータがあります。突発性胃潰瘍の原因としてストレスが大きく関わっている可能性があります。
症状
胃潰瘍の症状は腹痛・吐き気・胃部不快感など様々ですが、まったくの無症状のこともあります。また出血・穿孔・狭窄などの合併症が起こることもあります。約2/3の患者さんが上腹部痛を認め、痛みの性状としては鈍く、疼くような、焼けるような痛みとなることが多いです。食事との関連は強く、潰瘍の部位により、食後や空腹時や夜間に痛みを呈します。また約半数の患者さんには、嘔吐や吐き気を認めます。
胃潰瘍から出血を伴うと、吐物の中に血性や黒色の成分が混じることや、タール便といわれる黒色の便が出ることもあります。出血量が多量になると、頻脈や血圧低下といった貧血に伴う症状が現れ、内視鏡による止血や手術・輸血などの処置を要します。
胃潰瘍が深く胃の壁に穴が開いてしまうと、胃の内容物が漏れ出し、腹膜炎を起こし持続する強い腹痛を認めます。潰瘍が穿孔した場合には、緊急手術が必要なことが多く、腹膜炎がひどいと致命的となることもあります。
治療
胃潰瘍の治療としては、胃酸を抑える薬や粘膜を保護する薬などを内服することにより行います。胃潰瘍の原因となる薬剤の内服があれば、可能な限り薬の中断や変更を行い、その後ピロリ菌感染が確認されればピロリ菌の除菌治療を行います。また癌などの腫瘍が関係していないか、内視鏡にて細胞を採取して検査します。
診断時の内視鏡検査にて、胃潰瘍からの出血が認められた場合には止血処置を行い、貧血が認められれば、輸血や鉄剤などの貧血治療も行います。大きな潰瘍や症状が強い場合には、入院による治療が必要となる場合もあります。内視鏡での止血が困難であったり、狭窄や穿孔などの合併症が起こっている場合には手術を行うこともあります。
胃潰瘍治療中の食事については、カフェイン、たばこ、アルコール、香辛料などの胃酸の分泌を促す食品や刺激物の摂取を控え、消化の負担となるような脂肪や食物繊維の多い食事を避け、出来るだけ消化のよいものを摂取しましょう。また自分にあったストレス解消法を見つけ、規則正しい生活・食生活を心掛けてゆっくり休むことも大切です。
マロリー・ワイス症候群と特発性食道破裂
医師:神谷 賢吾
激しく嘔吐してしまった時などに出血を生じることがあります。このような時にはマロリー・ワイス症候群や特発性食道破裂という疾患が起きている可能性があります。
どんな病気か
マロリー・ワイス症候群(Mallory-Weiss症候群)とは、嘔吐などにより腹圧、胃食道内圧が急激に上がることで、食道と胃の境目の表面が縦に裂けて出血してしまう疾患です。この裂傷は粘膜下層までに生じ、粘膜下の動脈から出血します。通常は胸痛や腹痛を伴いません。
《マロリー・ワイス症候群内視鏡写真》
特発性食道破裂はBoerhaave症候群とも呼ばれ、やはり食道内圧が上昇したときに、食道が壁の外側までの全層で裂けて穴が開いてしまう疾患です。穴が開いた部分から細菌感染が広がり命に関わります。通常は強い痛みを伴います。
原因
マロリー・ワイス症候群や特発性食道破裂は、繰り返しかかる腹圧によって食道と胃の境目の壁が何度も勢いよく広げられ、粘膜面が縦方向に裂けることで起こります。アルコールを飲んだ後に嘔吐を繰り返すことが原因となることが多いといわれていますが、それ以外に、しゃっくり、くしゃみ、咳、喘息発作、腹部打撲、排便や出産時のいきみなどが原因となる場合もあります。
症状
マロリー・ワイス症候群では、繰り返す嘔吐後に吐血、下血、心窩部痛、立ちくらみなどを起こします。特発性食道破裂では嘔吐反射直後、突然バットで殴られたような胸痛や腹痛、背部痛などの強い痛みが起こります。破裂後時間がたつとショック症状など重篤な状態になってしまいます。
どのような方に多いか
マロリー・ワイス症候群の好発年齢は30~50歳、約90%が男性です。飲酒後の嘔吐での発生が30~50%を占めます。萎縮性胃炎がある場合は粘膜の伸びに弱くなり発症しやすくなり、胃の入り口が広がりやすくなる食道裂孔ヘルニアがあると胃の内圧が上がりにくいことで発症しにくくなるともいわれています。特発性食道破裂の好発年齢も30~50歳の男性とされ、やはり飲酒後の嘔吐で発生することが50~80%と多くを占めます。
診断
嘔吐に続き起こる吐下血など、急な腹圧上昇を来す状況の有無を確認することである程度診断することができます。上部消化管内視鏡で粘膜裂創の有無とそこからの活動性出血を確認することで確定診断できます。マロリー・ワイス症候群の場合は裂創の深さは65%が粘膜下層までにとどまり、筋層まで達するのは30%程度です。
特発性食道破裂が疑われた場合は、レントゲンやCTでの食道の外側への空気の漏れ(気腫)や胸水を認めたり、食道造影で造影剤が食道の外に漏れる所見を認めれば、食道破裂と診断されます。内視鏡検査では破裂部位を直接確認できますが、破裂部をさらに悪化させる可能性もあり注意が必要です。
《食道造影での造影剤漏れ》
治療
マロリー・ワイス症候群では内視鏡検査時に止血している場合は特に処置は必要としません。出血がみられる場合は内視鏡的に止血します。裂創が深い場合は入院の上で絶食・輸液、酸分泌抑制薬投与などを行い治療します。ほとんどの場合、自然止血がみられ、その後再発することは、あまりありません。特発性食道破裂の場合は、緊急手術での破裂部の縫合閉鎖、ドレナージ術(ドレーンチューブを留置し、たまった滲出液・膿・血液などを排出すること)が必要になります。早期に治療を行った方が救命率は高くなります。
《内視鏡的止血写真》
予後
マロリー・ワイス症候群では、多量の出血が出ない限り基本的に良好です。
食道破裂の場合、昔は死亡率40%台と予後不良な疾患でしたが、医療技術の進歩により現在では10%前後まで低下していますが、致命的となる可能性がある重篤な病気であり、早期診断・早期治療が特に重要です。
最後に
嘔吐した時に出血した場合や嘔吐後に強い胸痛や腹痛を認めた場合には、マロリー・ワイス症候群や特発性食道破裂の可能性もありますので、消化器専門の病院を早めに受診してください。また適切量の飲酒を心がけて、嘔吐するまで飲酒することは避けましょう。