内視鏡的治療(EMR、ESD)
内視鏡的治療(EMRとESD)について
1.内視鏡的粘膜切除術(EMR)
Endoscopic mucosal resection:EMR (従来行われていた方法)
図のように小さな粘膜内にとどまるガンに対する治療です。粘膜下層に生理食塩水などを注入することにより、病巣を固有筋層から浮かせて高周波を用いて切り取る方法です。
しかし、この方法では2cmを超える広いがんの場合は、スネアの大きさから病変を一括して切除することが出来ないため取り残しが出て、再発する危険性が指摘されていました。
2.内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
Endoscopic submucosal dissection:ESD(新しく行われている治療)
近年、ITナイフの発明と内視鏡的技術の進歩により、従来より遥かに大きな病変でも確実に一括切除することが可能となりました。これにより切除後再発のリスクが大幅に軽減され、非常によい治療成績を上げています。それが内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:Endoscopic Submucosal Dissection)です。当院では東海地方でいち早く2000年10月よりこの新しい内視鏡的治療であるESDを導入しました。
ESDの実際
ESDで治療した場合、勿論お腹に傷はありませんし、翌日胃カメラで切除した部分を観察し、問題なければ水分、その翌日にはおかゆが食べられます。また小胃症状(胃が小さくなって食べられる量が少なくなること)やダンピング症状に悩まされずにすみますし、なんと言っても傷の痛みがありません。