以心会

内視鏡的止血術

目的

吐血(口から血液を吐く)や下血(肛門から血液が出る)などの消化管出血を止めるために行います。
内視鏡的止血術は、検査中、食道・胃・十二指腸や大腸に出血を認めて行う場合と突然に吐血・下血などの症状が現れ、緊急に行う場合とがあります。
患者様の状態や出血の性状・部位など、内視鏡で確認した後、止血法の選択をします。

種類

(1)局注法

  • 純エタノール局注法
  • 高張Naエピネフィリン(HSE)局注法

(2)機械的止血法

  • クリップ止血法

(3)熱凝固法

  • ヒータープローブ法
  • 高周波電気凝固法
  • マイクロ波凝固法
  • レーザー照射法
  • アルゴンプラズマ凝固法(APC)

(4)薬剤散布法

  • トロンビン散布法
  • アルギン散ナトリウム散布法
  • スクラルファート散布法

方法

止血術を受ける前に行う処置は、原則、上部内視鏡検査・下部内視鏡検査と同様です。
「上部内視鏡検査」  「下部内視鏡検査」をご覧ください。

治療

出血部位を確認し、止血処置を行います。
当院ではクリップ止血法、高周波電気凝固法を多く選択しています。

クリップ止血術

内視鏡止血用に開発されたクリップ装置で出血点、露出血管を直接把持して止血する方法です。



出血している胃の画像


胃の中を洗浄すると潰瘍あり。
露出血管を発見し、クリップで止血処置をしている画像


5本のクリップをかけ、処置が終了した画像


高周波電気凝固法


高周波電流を通電し、熱エネルギーを発生させて周辺組織を熱凝固させることで、
組織の膨化が血管閉塞、血栓形成を起こし止血する方法です。


露出血管から出血している胃の画像


凝固子で熱凝固させ止血した画像


止血鉗子を用いた場合


高周波止血鉗子


露出血管から出血している胃の画像


止血鉗子で熱凝固させ止血した画像


治療後


  • 止血術後は、入院となります。
  • 出血の程度により、その日数は異なります。
  • 入院中は、点滴や内服による治療が行われます。