小腸X線検査
小腸X線検査について
造影剤(バリウム)を使用し腸管を観察するとともに、異常がないか、病変の場所や状態確認のためX線撮影をする検査です。
腫瘤、狭窄、潰瘍、炎症、腸閉塞、癒着などの有無を調べます。
検査の進め方(検査方法は経口法と直接ゾンデ法があります。)
直接ゾンデ法の場合
- 検査着に着替えます
- 鼻からチュ-ブを挿入します。チュ-ブを小腸入口ぐらいまで進め、風船(バル-ン)でチュ-ブを固定しておきます。
- 小腸に入れたチュ-ブの先端から直接、造影剤(バリウム)を送り込み大腸まで造影剤を到達させます。
- 造影剤が大腸まで到達する間に指示に合わせて台の上で左右に体を傾けたり、機械でお腹を押さえながら撮影していきます。
- 大腸まで造影剤が達したら、チュ-ブから空気を送り込みます。お腹が張った状態でまた左右に体を傾けたり、機械でお腹を押さえてながら撮影していきます。
- 撮影が終了したら、チュ-ブを抜きます。
- 検査終了。
- 検査時間は1時間半~ (造影剤の流れしだいで時間が変わります)
経口法の場合
※直接ゾンデ法に比べると細かな異常は解りにくいですが、患者さんの負担は少ない方法です。
- 検査着に着替えます。
- 胃のX線検査と同じように撮影前に造影剤(バリウム)を飲んで撮影していきます。
- 何度かにわけて造影剤(バリウム)を飲み、大腸まで造影剤を到達させます。
- 造影剤が大腸まで到達する間に指示に合わせて台の上で左右に体を傾けたり、回転したり、機械でお腹を押さえながら撮影していきます。
- 検査終了。
- 検査時間は1時間半~ (造影剤の流れしだいで時間が変わります)
小腸とは?
小腸は長さ6メ-トルを超える腸管で、上から十二指腸、空腸、回腸の3つに区分されます。
十二指腸は太さ約5cm、長さは約25~30cmぐらいです。
空腸、回腸に進むと腸の太さはしだいに細くなり、終わりの部分では直径3cmぐらいになります。
小腸の主な病気
- 小腸腫瘤
- 腸重積
- 腸閉塞(イレウス)
- 吸収不良症候群
- クロ-ン病
- ベ-チェット病
小腸腫瘤とは?
発生頻度はあまり多くありません。しかし、悪性度は高く約60%は癌です。
腸重積とは?
腸の一部が腸管内にもぐりこんでしまった状態です。激しい腹痛や嘔吐などの症状です。
腸閉塞(イレウス)とは?
腸が詰まって内容物が全く先へ進まない状態です。激しい腹痛、便秘、おならが出ない、嘔吐などの症状です。
吸収不良症候群とは?
食物を消化・吸収する過程に障害が起こることです。
原因は、腸管を切除した後や腸管の炎症、寄生虫、腸管運動の異常亢進や腸管内の細菌異常増殖などです。
クロ-ン病とは?
口から肛門までの全消化管を侵す原因不明の肉芽腫を形成する慢性炎症性疾患です。
小腸の末端部が好発部位で、主に若年者に発症します。
腹痛や下痢、血便、体重減少などの症状です。
ベーチェット病とは?
皮膚、目、粘膜、内臓、血管、神経などに炎症を起こす全身性の自己免疫疾患です。
消化器病変では、小腸の末端部を中心に潰瘍が出来ます。
腹痛や下痢、下血などの症状です。
注 意 事 項
- 検査前日の昼、夜食は消化の良い食事を7時までに食べて下さい。
- 夜9時に粉薬を水に溶かして飲んで下さい。
- アルコ-ル類は禁止です。
- 当日は朝から絶食になります。
- 薬を服用中の方は、当日の朝は飲まないで下さい。
- 妊娠の可能性のある方は検査できません。
- バリウムが便と一緒に排泄されるため、検査後は水分を十分に取ってください。