以心会

採血

採血する部位(場所)はどのように決めているのですか?
基本的には肘の中央部付近の血管から採血します。この部位は、
① 痛みを感じる痛点が少ない
② 血管が逃げにくく神経にも触りにくい
という理由からです。このあたりの血管が分かりにくい場合には、手の甲などで採血することもあります。

採血されると思うと、気分が悪くなります。どうすればよいでしょうか?
針を刺した後に一時的に血圧が低下し、めまい・気分不快・意識消失などを引き起こす方がおられます。
心理的に緊張・不安が強いと起こるとされ、採血前に起こることもあります。
緊張しやすい方などは横になって採血しますので、お申し出ください。

血管が出にくいのですが、事前に自分で出来ることはありますか?
手が冷えた状態や脱水状態では、血管が細くなり見えにくくなります。
蒸しタオルやお湯、衣服などで暖めたり、腕を下げて重力で血管を怒張(血管を盛り上げる)させる、などが効果的です。

採血に関連してアレルギー症状がでることがありますか?
採血に使う用具(消毒薬、固定用テープ、手袋など)により、アレルギー反応が起こることがあります。
最も多いのは、消毒綿のアルコールに対するアレルギーです。
これらにアレルギーのある方はお申し出ください。

採血の時に手を握るのはどうしてですか?
親指を中にして手を握ると、末梢の静脈血が血管に集まり、血管を怒張させて採血しやすい状態になります。
手の平をグーパーとしたり、血管の周囲を軽く叩いたりするのも同じ理由です。

針を刺したとき、痛みやしびれがないか聞かれるのはなぜですか?
非常にまれですが、針が神経に触ることがありますので、その症状である痛み、しびれの有無を確認しています。
針を刺したあと、手や指に拡がる痛みやしびれ・重圧感が続く場合にはお知らせください。

何本も採血することがあるのはなぜですか?
採血管の中には、血液を検査に適した状態にするための薬剤(白い粉や液体)が入っています。
検査の種類によって使い分ける必要があるため、何本か採血することがあります。

採血の途中で血が引けなくなるのはなぜですか?そのとき駆血帯を緩められま した。なぜですか?
細い血管の場合、血を引くことにより血管が収縮してしまうことがあります。
収縮した血管を拡げるために、いったん駆血帯を緩めることもあります。

こんなにたくさん採血して、血が少なくなりませんか?
人間の血液量は体重の13分の1といわれていますので、体重60kgの人では、
およそ4500mlとなります。また血液中の赤血球の寿命は120日といわれており、60kgの人であれば、毎日35mlの血液が新しいものと入れ替わっています。
採血量は項目によりますが、多くても15~20ml程 度ですので、採血によって血液が足りなくなる心配はありません。

採血した血液が黒っぽいような気がしますが、大丈夫ですか?
血液には動脈血と静脈血があります。
動脈血は肺でもらった酸素が多く含まれているので赤く見えます。静脈血は各臓器から不要な老廃物や二酸化炭素を肺に持ち帰るので黒っぽくなります。
採血は静脈から行いますので、黒っぽく見えるのです。

採血の後はなぜ押さえるのですか?
血液は、止まるまでに時間がかかるからです。
完全に止血されていない状態のままでは、血液が漏れだして着衣を汚したり、皮下出血(内出血)を起こすことがあります。
採血終了後、反対側の指で3分間(血液をさらさらにする薬を飲んでいる人は5分間以上)押さえてください。
このとき、決して揉まないようにしましょう。
なお、指で押さえる代わりに、止血バンドを使用する場合もあります。
皮下出血(内出血)があっても多くの場合、1週間ほどで自然に治っていきます。

採血後に巻かれたバンドや絆創膏は、いつまで付けておけばいいですか?
止血のために巻いたバンドは、スタッフが止血を確認して外します。針を刺したあとに貼られた絆創膏をはがすのに厳密な決まりはありませんが、衛生上、遅くとも帰宅後にははがしてください。

採血した後に入浴してもいいですか?
しっかり止血されていれば問題ありません。
ただし採血した部位は強くこすらず、優しく洗いましょう。

食事をしてきましたが問題ありませんか?
検査項目によっては食事の影響を受けるものがあります。 
食事により検査値が高くなる項目に、血糖、中性脂肪、インスリンなどがあります。血糖は食後約2時間、中性脂肪は14時間以上でほぼ空腹時と同じになります。
検査値への影響が出る場合がありますので、診察時にお知らせください。

昨日お酒を飲みましたが、検査に影響しますか?
血液検査結果に影響がでる場合があります。
血液検査項目の中で、尿酸、尿素窒素、中性脂肪、γ-GTPなどが上昇します。
健診前日はアルコールを飲まないでお越しください。